男のスーツは、個人的感性のみで着る服と異なり、何らかの社会的意味を
持つ物だと述べ続けてきた。
泡の如く生まれては消える服が多い中で、スーツの本質が百年間ほとんど
変わっていない事でも理解できる。
もとよりファッションなんて通俗で、より行き過ぎた方向へ向かうもの、そのパワーたるや、
傍若無人。
物の魅力は、その背景にある伝統と技にある。
それを忘れて、単なる欲望の対象物になってしまった。
スーパーブランドの開店に列をなす人々、それを取材するマスコミ。
陳腐化してしまった精神性。
記録的猛暑でスーツが嫌いになってしまったビジネスマン諸氏。
やっと装いの秋が来る。お勧めはネイビーブルー。
ここ数年、グレーが優勢だっただけに新鮮さを感じる。
どのショップでも様々な紺色が充実している筈。
ネイビーを崩さず実直に着こなして欲しい。
ベイシックな色だけに、仕立てやフォルムはすごく重要になる。
男性としてのヒューマニティは服に限らず、その中身のあなたが責任を持って
表現すべき一面である。
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