2016年6月16日木曜日

VOL・10 傍若無人  2001・10

男のスーツは、個人的感性のみで着る服と異なり、何らかの社会的意味を

持つ物だと述べ続けてきた。

泡の如く生まれては消える服が多い中で、スーツの本質が百年間ほとんど

変わっていない事でも理解できる。

もとよりファッションなんて通俗で、より行き過ぎた方向へ向かうもの、そのパワーたるや、

傍若無人。

物の魅力は、その背景にある伝統と技にある。

それを忘れて、単なる欲望の対象物になってしまった。

スーパーブランドの開店に列をなす人々、それを取材するマスコミ。

陳腐化してしまった精神性。

記録的猛暑でスーツが嫌いになってしまったビジネスマン諸氏。


やっと装いの秋が来る。お勧めはネイビーブルー。

ここ数年、グレーが優勢だっただけに新鮮さを感じる。

どのショップでも様々な紺色が充実している筈。

ネイビーを崩さず実直に着こなして欲しい。


ベイシックな色だけに、仕立てやフォルムはすごく重要になる。

男性としてのヒューマニティは服に限らず、その中身のあなたが責任を持って

表現すべき一面である。

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