2016年6月22日水曜日

VOL・107 いつも同じ服  2009・11

いつも同じ服に見えると人は言う。

しかし、スーツやジャケットの数は人並み以上で、一週間毎日違うものを着てもまだ余りある。

ホントに同じ服を毎日着ている人はここでは論外。

「あの人はいつも同じ服ばかり着ている」と言う時、実際のところどうなんだろうか。

言われる側の対象になっている人物は、普通の人に比べてきっとセンスがあり、

いい服を着ているに違いない。

毎日全て違う物を着ているのだが、本人が持つイメージ(特に色と柄)がテーマとして

フィックスされていて、他の人からは同じに見えているのだろう。

私も同じような服ばかり作っている。自分のことはさておき、いつも同じように見えているのは

決して悪いことだとは思わない。むしろ潔ささえ感じてしまう。

私の顧客にかなりの着数のジャケットとパンツを作って頂いている方がいる。

ジャケットだけで30着くらいはあろうか。これが、ことごとく茶系。ベージュもあればこげ茶もある。

合わせて作るパンツもほとんど茶系で、グレーや紺が少し。確かに似た様な色である。

さらに、シーズンが変わっても素材が変化しているだけで、色使いの印象は変わらない。

傍目には同じに見えているだろうが、私は微妙な色の差を楽しんでもらえていると思っている。

淡いベージュ系のジャケットに、たまにはライトグレーのパンツを合わせると爽やかな

淡色コーディネイトになると提案しているのだが、当の本人がピンときていないみたいだ。

色々な服を買い漁る人ほどまとまりがつかない。

色も柄も、ひいてはサイズ(表示ではなく実際の大きさ)までバラバラだ。

安定したサイズ感覚を持っていて、それに好みの色柄が乗っていくと同じような服に

見えるのは否めない。

自分の得意なパターンが確立されているのは素晴らしいことだと思いますが、如何?

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