これが煮ても焼いても喰えない。
「どうしたらお洒落になれるか」という質問を頂くが、これに返答するのは非常に難しい。
洋服屋で働いているからお洒落だとは限らないし、スーツ族と今どきのストリートカジュアルや、
ギャル男君たちの着こなしにおいて、格好良さを共有することも希である。
単刀直入にお洒落じゃない人の欠点を羅列してみる。
・服に興味がない人を探す方が難しいが「着飾る」ことをお洒落だと勘違いしている。
お洒落な人は「着こなす」習慣ができている。釦やステッチの色にギミックを用いた
上衣やシャツが出回りすぎ。造り手にも売り手にも問題あり。「変わったシャツですね」
と言われたら要注意。「変なの!」を婉曲に言ってるだけ。
・自分の体型を理解していない。つまりサイズ感覚に欠けている。服が大きすぎては
より太って見えてしまうし、いくら細身が流行っても小さすぎては貧相で豊かさに欠ける。
既製服といえども、仕上げるときの袖丈、股下、着丈に無頓着。サイズ感覚は流行と
いうより時代のバランス感覚である。
・トータルの着こなし、コーディネイトが出来ていない。豪華一点を買い求めて着ていれば
お洒落だと思っている。一緒にパンツを買いなさい。シャツもベルトも靴もお求めいただいた
方が良かった。ちょっとハズシのコーディネイトのつもり? 残念ながらハズレです。
何にでも合う服、何に合わせても中途半端かも。
・オーダースーツだから格好いい?オーダーもピンキリです。どこの寸法に合わせて
作ったのか理解に苦しむ。注文を受け採寸する担当者がダサかったら、そりゃ無理な
相談というもの。
人それぞれ趣味嗜好はある。知らなかった物、もっと良い物を見て変わろうとする事こそ
本当の趣味の良さではないか。
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