服における美しいバランスとは、どのようなものだろうか。古代ギリシャで発見され、
かのダ・ヴィンチも用いていた記録が残っているという黄金比。1:1618(または1:0618)。
名詞などのカード類がこのバランスだ。身長÷へそから足下が黄金比に近いほどスタイルが
よく、美容外科的にも目・鼻・口のサイズや間隔など黄金比を応用していると聞く。
メンズ服でいうと、スーツの上衣つまりジャケットがこの長方形にピッタリと収まる。
標準的なサイズバランスの男性の場合、肩幅が44cmだと着丈はほぼ71cm程度。
最近のコンパクトな服作りだと意匠寸を加えないので、肩幅、着丈はヌード寸にイコールだ。
と、いうことは人の胴体にも黄金比が成立している。意匠として肩幅が広くなると着丈も長く
なるのが一般的であるから、ユルイ服でも黄金比はキープされているという理屈だ。
黄金比を意識してカタチ作っているのではなく、よいバランスやプロポーションや秩序美を
目指したら黄金比に近くなったということだろう。
立体は全方位的なものである。自分の姿は鏡で正面を見るが、他の人を見るときは全方位だ。
横つまり側面から見たバランスも大切である。極端な肥満の男性は飛び出したお腹のせいで
重心が前へ行き下衣(ズボン)とのバランスが非常に難しい。胴でもっとも細いところは脇を
締めて曲げた肘の位置、へそから6cm上のあたり。そこより上が胸(背)、下が腹だ。
オーダー服、既製服にかかわらず、シェイプポイントが下がりすぎてはスタイリッシュに見えない。
大きくなったお腹周りにサイズを合わせようとして身長寸の大きいスーツを着た時に訪れる
悲劇である。
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