服飾に用いる用語は、意匠や技術的分野で専門的に用いられるものもあるが、
使って欲しくない言葉もある。
デパートやスーパーによくある「カッターシャツ」売り場。
上衣の下に着てネクタイを締めるあのシャツのことを意味している。
何を隠そう日本語造語で、某有名スポーツメーカーが作ったウエアを競技の勝ち負けにちなんで、
勝ッターシャツとしたらしい。
正しくは、ドレスシャツもしくはワイシャツ(ホワイトシャツがなまったもの)と呼ぶのが正しい。
不思議なもので、そういわれるとカッターシャツという響きにどこかしら田舎臭さを感じてしまう。
嗜好品は生活物資と異なり、物(商品)と売り手と買い手の三つの価値観が一致した時、
「これにします」という一言で販売が成立する。
三要素のいずれかのレベルが高すぎても低すぎても物は売れないし、買わない。
つまり売り手を見れば客が分かり、客を見れば店のレベルが示される。
カッターシャツという呼称を用いているようでは、センスの高いシャツ、スタッフではなさそう。
スーパーブランドの服や小物も、ディスカウントショップの超目玉になってしまったことを思うと、
三位一体のバランスは破壊され、つまらない物欲と無能な販売員が残ってしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿