2016年6月16日木曜日

VOL・19 生地についてⅠ  2002・7

スーツは、シャツ、ネクタイ、ベルト、ソックス、シューズのコーディネイトで着こなすもので、

バランスが重要である。豪華一点主義が最もバランスを崩しやすい。


身の丈に不釣り合いな高価なものほど、滑稽に見える筈である。 

と、精神的抽象論ばかりを説いても難解になるので、今回よりスーツとその周辺アイテムについて

お話することにした。

まずは、スーツを誂える為の生地について。生地には3つの要素がある。

まず素材、つまり原料のことでウールとかコットンの類。

二つめが色、三つめが柄である。服飾業界の人間でも生地の知識は覚束無いのだから、

一般的には、左袖口か内ポケット近くに付けられた生地ネームで判断するのがやっと。

気に入ったかどうかが問題で、名称を記憶する必要はないと思う。

最も多く用いられるのがウール素材。ウールのもつドレープ性やシワの回復のよさは他の繊維に


は見られない。染色の堅牢度も高く、物性的な劣化が少ない。

つまり、くたびれの最も少ない素材である。クラシックスーツに用いられるストライプ、ウインドペン、

バーズアイ、グレンチェック等はすべて毛織物を中心とする柄である。最近の傾向は、ウインドペン

人気が一段落し、ストライプ絶好調といったところだろうか。

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