2016年6月16日木曜日

VOL・20 生地についてⅡ  2002・8

前号のウールが動物繊維であるのに対して植物繊維のコットンと麻について述べてみる。

スーツのバリエーションを考えるとき、ウールは必需品だが、それを補完してエキセントリック


な雰囲気を醸し出すのがコットン。春夏のコットンギャバ・シアサッカー・コードレーンと並んで


秋冬のコーデュロイ・モールスキン等が挙げられる。天然繊維は本来スローなファブリックで


ある。繊維が糸に糸が織物にと姿を変えるごとに寝かせてリラックスさせてきた。


ウールもコットンも同じで寝かすことでコンディションを回復し、シワにもならず、縮まない自然の風

合いがよみがえる。スピードと効率重視のなかで、撚ったり、ひねったりされて繊維が無理な姿勢

を強いられているから縮みが発生してしまう。コットンはウールに比べて保温性が少ない。

つまり涼しい。秋冬のコーデュロイ等は幾分暖かく着れるが、ウールほどの保温性はない。


麻はシャリ感があり清涼感へとつながっている。あらゆる繊維の中で接触冷感にすぐれ、


細菌が繁殖しにくい性質をもつ。ただシワは必然なので嗜好品としては味がある。

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