2016年6月16日木曜日

VOL・21 上衣について  2002・9

スーツは男を格好よく見せる。

スーツの存在価値はかなりの部分がここにある。

細かいデザインは、軍服あるいは乗馬服に由来する。

スーツの襟について。


ひと口に襟といってもスーツの場合、上襟(collar)と下襟(lapel)に分けられる。

両者が交わる部分が襟縫い線(gorge line)と呼ばれる。

このゴージラインの高低や角度でスーツの雰囲気はガラッと変わる。

最近のスーツは、高めの設定のものが多い。シルエットと同様にそのスーツが作られた時代を

如実に物語ってしまう部分である。永く着たければ、そのあたりが中庸の物を選ぶべし。

Ventと呼ばれる後身の切り開き、またの名を「馬乗り」という。


背中心に入れたセンターヴェント、両脇のサイドヴェンツ等がある。

男子服で唯一ヒラヒラして良い部分であり、そこに色気さえも感じてしまう。

胸先を意味するBreast。スーツでは前身の合わせのことを言う。略されることが多いが、


シングルブレスト、ダブルブレストが正式名称。


昨今のハンドワーク礼賛の風潮を受けて復活したのがカフスを開閉できる本切羽。


本切羽になっているからいいスーツなのではなく、いいスーツに本切羽が相応しいので

あるから主客転倒なきようご注意を。

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