スーツは男を格好よく見せる。
スーツの存在価値はかなりの部分がここにある。
細かいデザインは、軍服あるいは乗馬服に由来する。
スーツの襟について。
ひと口に襟といってもスーツの場合、上襟(collar)と下襟(lapel)に分けられる。
両者が交わる部分が襟縫い線(gorge line)と呼ばれる。
このゴージラインの高低や角度でスーツの雰囲気はガラッと変わる。
最近のスーツは、高めの設定のものが多い。シルエットと同様にそのスーツが作られた時代を
如実に物語ってしまう部分である。永く着たければ、そのあたりが中庸の物を選ぶべし。
Ventと呼ばれる後身の切り開き、またの名を「馬乗り」という。
背中心に入れたセンターヴェント、両脇のサイドヴェンツ等がある。
男子服で唯一ヒラヒラして良い部分であり、そこに色気さえも感じてしまう。
胸先を意味するBreast。スーツでは前身の合わせのことを言う。略されることが多いが、
シングルブレスト、ダブルブレストが正式名称。
昨今のハンドワーク礼賛の風潮を受けて復活したのがカフスを開閉できる本切羽。
本切羽になっているからいいスーツなのではなく、いいスーツに本切羽が相応しいので
あるから主客転倒なきようご注意を。
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