2016年6月16日木曜日

VOL・23 上衣についてⅢ  2002・11

クロージング(スーツ・ジャケット)の今シーズンの潮流として、英国調が挙げられる。

そのイメージの柱になっているのが素材(生地)である。

当然のことながら英国製の素材が主になるが、イタリーの生地も英国テイストを強く

打ち出している。

フランネルやグレンチェック、ジャケットにもってこいのガンクラブチェックが代表的。

これまで続いてきた「柔らかく軽い」が「コシがあって重い」方へ流れてくる。


ここで勘違いして欲しくないのは、懐古趣味に終わってしまうのではなく、時代の空気を

表現しながら英国趣味を取り入れるということが大切になる。

ファッショントレンドが世界共通語になっている現在、クラシコイタリアの各ブランドに見られる

傾向である。クラシックの向こう側にある英国的表現ぐらいが時代の気分なのかもしれない。

伝統は革新によって、色褪せずに新鮮さを増し、現代的、都会的、上品、リッチという形容が

もたらされる。素材と共に色使いにひと工夫。生地表面上の色使いに加え、インナーのシャツや

ニットの色使いを淡目に選択して洗練された新しいブリティッシュスタイルが出来上がる。

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