2016年6月16日木曜日

VOL・33 チョッキ  2003・9

前号のズボンに続き語源のはっきりしない呼称である。

チョッキ「直着」というのは、日本のテーラーの職人用語が一般化したもので、


米語でヴェスト(Vest)、英語でウェストコート(Waist Coat)と呼ばれる。

考え得る語源を拾ってみる。ちょっと着るからチョッキ。柄として多用されるチェックがなまったの。


羽織る物としてのヂャケットがなまった。いずれも心苦しい感じで説得力に欠ける。

シャツの上に直接着るからというのが自然のようだ。


昨今はスリーピーススーツは不人気のようだが、オッド(単品)ヴェストはよく見掛ける。


上衣を脱いでシャツ1枚というのは、ちょっと無防備な感じがするので、ニットヴェストや前開きの

ヴェストを羽織ると安心感がある。

きっちり仕立てられた三つ揃いスーツや、ダブルスーツの復権を望むのだが、80年代当時に


30~40歳代で、ソフトスーツの洗礼を受けた、服にあまり興味のない方々は、なぜかユルい服を

捨て切れないでいる。何処をどう採寸すれば、その大きくて太いスーツになるのか理解に苦しむ。

ましてや、上半身にフィットしたヴェストを加えたスリーピースなど論外といった感じなのだろう。

ルックスを度外視してまで大きすぎるスーツが楽と考えるのであれば、スーツを着なければ良い。

世界の要人やエグゼクティブは誰もそんなスーツを着ていない。小さくもなく大きくもなく正しい


サイズで立体的に作られたスーツの方が着やすく、動いた時に美しいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿