2016年6月16日木曜日

VOL・43 スーツとドレスシューズ  2004・7

日本は世界的に見ても高級靴の有数な市場である。

欧米本国の主要都市に数店舗しかない有名ブランドの直営店が、日本では百万都市に

漏れなく店を構える。メンズマガジンは年に何回も靴特集をやってくる。

相乗効果で本も掲載商品も売れるのだろうが、5万円から10万円を超える物までよく売れていると

聞くから恐れ入る。スーツの件と同じく、これだけ売れていても、スーツから靴までバランスの取れ

た着込なしをしている人をあまり見掛けない。

英伊両国の様に格好いいジジィ(失礼!大人の男性)がまだまだ少ない。物はお金を出せば入手


できるが、着こなしの感性となるとそうはいかない。

基本的な話を少し。スーツに合わせる靴はオックスフォード(紐付短靴)というのが、基本中の基


本。ローファーを代表とする紐の無い靴でスーツに合わせて良いのは、モンクストラップ、

タッセルスリッポン、サイドエラスティックぐらいだろうか。靴屋さんにもこの位の常識は頭に入れと


いて欲しい。どんなスーツに合わせるかを尋ねずに靴を売ってはいけない。

よく言われるのが、英国紳士は黒靴、イタリア洒落オヤジは茶靴。しかし、英国でも茶靴はいくらで


も売られているし、ダークスーツには黒靴としても、英国にはカントリースタイルという決め技もある

からケースバイケースだろう。人気のモデルも欧米と時差なく日本に紹介されているが生活習慣の

大きな違いがひとつ。日本には座敷があり、靴を脱ぐ機会が多い。そこでお勧めしたいのがサイド

エラスティックタイプのドレスシューズ。利便性だけでローファーを選ばないで欲しい。履いている時

も脱いだ時も、靴は人目に晒されている事をお忘れなく。

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