2016年6月19日日曜日

VOL・51 服と年齢  2005・03(月刊はかた 特集拡大版)

団塊の世代が六十歳を迎えようとする時代である。

人口構成率の高さからか、大人の男性に向けてファッション誌というかライフスタイル誌の

発刊が相次いでいる。日本のオジ様たちもお洒落な人の比率が増えた。

あくまで比率ではあるが。。

クラシコイタリアに代表されるヨーロッパの服や着こなしが紹介されて久しいが、

現地でよくよく観察すると、紛れもなく売る人も買う人も格好いいオヤジである。


三十代初めからそういうルックスを標榜してきた着手と共に十年程の時が流れ、


このクニの男たちもミーハーではない服を理解するようになった。


さらに加えて、ベイシックな着こなしを理解し終えたら、不良オヤジ的着こなしまで

話題を呼んでいるから恐れ入る。もう、ジーンズもTシャツも、若い人達の為だけの物ではない。

オンのスーツまたはジャケット、オフのカジュアルと格好いいオヤジを続けるには、


大変な散財を求められる。時計、車、飲食、体型の維持と気を抜く暇がない。


ところがどっこい、まだまだ何から何まで奥方任せの人も多い。


メンズ服、特に重衣料(スーツ・ジャケット等)というものを本当に理解している女性は稀である。

ネクタイはスカーフではないし、メンズテーラードの世界は、洋裁とは似て非なる物である。


どちらかというと、レディスはパッと見、メンズは縫いが命である。

服地でも直接比較は難しいが、紳士の高級ウール素材は際限を知らない。

冗談話だが、ダンナの服を選ぶ奥方はまず自分の物を選び、残った予算でダンナの


スーツを選ぶ。そのスーツが似合っているというより、値段が似合っているだけだ。

よく言えばプライスコンシャス?


間違いなくお洒落な大人の男性は増えた。しかし、作り手、売り手、着手と考えていくと、


まだ売り手が若すぎる。還暦を迎えんとする男性に物を売るのに、三回りも若い年齢の

売り手はいかがなものか。欧米の店のように指導的な接客で物を売るスタッフがいない。

というより、業界では歳を重ねると売り場から離れるのが昇進にイコールと考えられている。

酸いも甘いも噛みわけた大人の男性に物を売るのにホステス的接客でいいのだろうか?


若いことを悪いと云っているのではない。同世代の顧客と共に二十年は歳を重ねるつもりで

やって欲しいと思うのだ。

洋服の世界だけではない。この歳?になるとバーでお酒を飲んでも、自分より歳上の


バーテンダーに遭遇することは少なくなった。先生や先輩の前で背筋が伸びる感じも

たまには良いと思うのだが。。。

最後に、お洒落な大人の男性が増えるのは良いことだ。


服を着ることは享受した情報を身につけることだから、メンズ誌の影響は大きい。

どうか、間違った方向に煽動しないよう望むばかりだ。

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