2016年6月19日日曜日

VOL・55 お国柄  2005・07

この原稿を書いている今は、四月半ばだ。

先週は桜が満開で大騒ぎしていたのが不思議なくらいもう誰も見向きもしない。

活字になるのは七月。寸前の六月末まで、イタリア出張のため、早めに書き上げている。

ブランド消費大国ニッポン。郊外に巨大ショッピングセンターが出来ると、


ハイソブランドコーナーが設けられる。何がハイソなのか理解に苦しむ。

フランス、香港、ハワイそして、直方でも売っている。需要があるから供給しようとする。

大人のメンズ誌があれだけ海外取材し続けても、未だに御伽の国を見るように観察し、

そして真似ている。

ならば開き直ってお国柄的Vゾーン解説といく。

まず、羨望のイタリア。大人の男が美しさに拘る国である。四季もはっきりしていて、


しばしば空や海の青などといった自然の色彩での表現を用いる。


気持ちよさを重要視するから、安定感のあるコーディネイトが得意だ。

どちらかといえば、色をあまり飛ばさない。中間色をかぶる様に合わせる。

誰が見ても解りやすい絶妙な色合わせだ。

禁欲的正統派イギリス。イタリアとの違いは色を飛ばし、一見派手だが全体として思慮深さを


表現する。赤や紫のネクタイで一見、悪趣味な合わせをする。見慣れてくると、英国貴族趣味に

見えてくるから不思議である。グラフィックな柄を多用するのも特徴といえる。

洗練の国フランス。最も潔く、これといった癖がない。イタリア南部の様な此れ見よがしの


テクニックは、デザインにも色合わせにもフランス的美意識か。

そして、わが国に洋服のお国柄があるのか。自前の伝統とアイデアが無いからトレンドに流され


る。仕方ないかな。

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