2016年6月19日日曜日

VOL・75 もう、そろそろ  2007・3

もうそろそろ来ても(着ても)いいスーツの話である。

この10年ほどすっかりご無沙汰しているものに、スリーピース(三つ揃)、

ダブル、格子(チェック)柄がある。

まずスリーピーススーツは少しずつだが復権しつつある。

オフィスなどで上着を縫いでもシャツ姿にならないから無防備な感じがしない。

組下(パンツ)の腰周りから、フィットしたヴェストへ繋がっていくフォルムには

男の色気を感じてしまう。しかし気候の温暖化やクールビズ政策などを考えると、

夏には難しいのかもしれない。

次にダブルブレスト(両前)のスーツ。

各社各店ともに仕掛けているのだが、なかなか売れていない。

悪しきバブル当時のソフトスーツの匂いがするからだろうか、

日本では時代に追い出されてしまった感がある。しかし、欧米ではそういった偏見も無く、

スーツの一つのバリエーションとして相変わらずの人気をキープしている。

シングル(片前)のスーツに比べてエレガントに見えるし、大人の味がある。

ダブルのスールはちょっと、という向きにはネイビーブレザーのダブルなんかどうだろうか。

スーツより軽快に着れるし、休日のブルゾン代わりにも適役だ。

三つ目のチェック。前出の二つとは切り口が異なるが、影を潜めて10年ちかい。

最近はストライプに押されっぱなしだが、それ以前はウインドペン(窓枠格子)が流行ったのを

覚えているだろうか。この数年、グレンチェックを始めとした格子柄のスーツを手がけるも、

大きな潮流にはなり得ていない。考えてみると格子柄はスリーピースや、ダブルとも相性が良い。

何かの因果関係でもあるのだろうか。 

内外問わず、スーツの完成度はかなり上がっている。

その技術を裏付けに、タンス在庫にないスーツを一着!!

といきたいものだ。

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