2016年6月20日月曜日

VOL・81 装いの秋  2007・9

9月である。まだまだ残暑が厳しいが、初秋が訪れた。

「装いの秋」とは誰が言い出したのか、クールビズなどという単なる薄着容認の

悪しき言い訳を忘れて、秋のスーツの品定めを考えてみては如何だろうか。

昨年の冬からのグレー旋風も少し一段落したようだが、まだまだグレー系スーツの

箪笥在庫が不足している為か、紺よりも需要があるようだ。

私は日常的に黒(純黒)のスーツを着ることを良しとしない。

時と場所さえわきまえていれば、好きな物を身につければいいと半ば皮肉的に思っている。

ファッションは移ろいやすく、客観的、絶対的な尺度がないから決めつけることは出来ない。

男女問わず、黒いスーツが街に溢れているが、ピークは終了したのではないだろうか。

黒が売れたという事は、スーツの色柄が一巡した事を意味する。

そしてこれからの傾向は、色でいえばグレーを中心に、職場環境が許せば茶色系。

柄はクラシックなスーツ地、つまりバーズアイ・シャークスキン・ピンチェックなどが復活の兆しを

見せている。いずれも無地に近く、丈夫な生地でうまいテーラーならば仕立て映えがする。

トロミのある柔らかい生地よりも、コシがあるというか、芯がある素材の方が増えている。

合わせるネクタイは、ストライプは若々しく見えるが、フーラード(小紋)の渋めな物が秋の気分だ。

コーディネイトで一番気になるのがシューズ。ロングノーズを通り越した爪先が反り返った物。

スーツに合わせるのは良くない。靴を販売の皆様、売れるからといって、何でも売るのは

やめて頂きたい。スーツに合わせる靴としては、いき過ぎたロングノーズの靴はもう終わってるか

ら、滑稽に見えるだけだ

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