肩幅のせまい、着丈の短いジャケットが流行るようになったのはいつ頃からだっただろうか。
婦人服の世界では、各雑誌がマイクロ丈とか名付けたやっとウエストが隠れるジャケットが主流
になっている事ぐらいは知っていたが。トイレで大きい用を足す時も脱ぐ必要さえなさそうな短丈
のジャケットがカジュアルでは主流になっている。
ブルゾンの変形と思えば理解できないこともない。
セーター類のサイズ感も変わってきて、それと伴にクラシックなスーツの上衣丈も短くなっている。
筆者の主宰する店では、オーダーメイドが過半数だから傾向の認識さえあれば寸法はどうにでも
作ることが出来る。既製服の方もこの一年程でワンサイズ分着丈を短くパターンを修正した。
改めて眺めると、お尻が覗くぎりぎりの丈で、足長スタイルに見える効果が感じられて格好いい。
これまでどうしてあんなに長かったのだろうと考え入ってしまう。
情報がウイルスの如く伝播していく。
「流行とは、流行でなくなるもののこと」と言えばその通りで、何もかもが流行っては消えていく。
トレンドも単なるノスタルジックにしか感じない事だってある。
「それ、昔流行ったヤツの焼き直しだし、当時飽きる程着たから」などとオヤジ的発言。
歳の所為だろうか、トレンドとか流行とか言われる、売り抜く為のデッチ上げの仕掛けに対して、
気にはなるのだが横目で見ながら、そんなもの追い出したくなるような入り交じった感情が常に
ある。何が流行ってもいいが、品性は失って欲しくない。
ファッション野郎に見えすぎる様な物は、仕掛人とその便乗者たちに任せて、変わらぬ何かに
たどり着きたいと思うこの頃である。
が舌の根も乾かぬうちに型紙の修正を考えている。
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