2016年6月20日月曜日

VOL・87 積み革にゴム化粧  2008・03

表題は靴の専門用語である。踵を作る為に厚さ3ミリ程度の革を重ねる。

そしてその上へ(一番下の接地する面)にゴムを貼る。そのゴムの形状も半月型、

くさび型、あるいはゴム無しなどの種類がある。

たまに踵が木で作られていると思っている方がいる様だが、革を積み上げて作られている。

婦人物のハイヒール等の踵は強度の問題があるので、樹脂製のものに一見積み革の様に

見える革を巻きつけてある物が多い。安価なメンズ靴にも使われている。

靴とスーツの関係、身だしなみと靴の関係と言い換えても良いが、それは常に表裏一体と

言ってもいいだろう。素敵なスーツに素敵な靴が理想だが、懐具合に限界がある場合、

どちらに重きを置くべきか。そう悩んだのなら、靴に優先順位を与える方が大ケガをしない。

きちんとした靴さえ履いていれば、その上がいささか二流でも、不思議と見劣りしないものだ。

たとえデザインが今風でなくても、つま先が四角くても丸くても、良い靴にはオーラがある。

昨今は、為替や、原材料高騰のあおりを受けて本格靴の価格が跳ね上がっている。

既製靴でも10万円を超える物がザラにある。スーツ、ジャケット、シャツ、ネクタイ、コートと

男性の着こなしを完結させるのに必要な物は、審美眼が身に付いてくると、キリがなく高価になる。

その逆、どうでも良いと割り切れば安価な物もゴロゴロしている。

知識やセンスは偶然に身につかない。シンプルに格好良く着こなすのを望むのなら、

他のアイテムの細部ばかり気にしないで、靴を中心に考えてみる事をおすすめする。

良い靴から発想していくと、いかにスーツのセンスが欠如していたか解ってくる。

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