2016年6月16日木曜日

VOL・9 進化の真価  2001・9

景気低迷に基づく社会環境の変化に、ビジネスウェア市場を左右する都市生活者の多くは

疲労し、ネガティブな思考・行動へと向かっている気がする。


そういう時代の副産物なのか、セレクトショップを筆頭に8~10万円くらいで

素晴らしいスーツを提供している。10年前には考えられない価格と品質である。

クラシコイタリアならぬクラシコジャパン。

日本は世界的に見てもクラシコスタイルの産地となった。

テーラードに象徴されるオタク的なこだわりが日本人に合っているのかもしれない。

フィット感を表現しながらソフトな構造を用いたスーツやジャケットが作れるのは、

完成度追求の賜物だと思う。

アイデアは認めるが、オーバーディテールの騒がしいストリート服、そろそろ嫌気がさしてきた。


服の本質と違うところでチープなデザインを繰り返して行き詰まった感有り。

本物でありたいと思う気持ちと、変化していく事の間に立つジレンマ。


物を作る人間として、いつも頭悩まされる。

だから、進化するんだろうけど。

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