2016年6月20日月曜日

VOL・99 人は見かけによらぬもの?  2009・02

「人を見かけで判断してはいけない」と戒める。

なぜかというと、人は人を見かけで判断する習性を持っているからに他ならない。

竹内一郎氏の「人は見かけが9割」という本を読んだ。

洋服屋的には人のルックスやファッションについて書かれたものと期待し購入したが、さにあらん。

話し言葉の内容での情報伝達は全体の7%程度で、残りは表情や仕草、声の大きさやテンポに

依るところが大きいという内容であった。

つまり名優は、記憶した台詞だけでなく、全てを含んだ表現力という感性があるからこそ

名優なのである。話し言葉の字面だけで情報伝達をしようとするのは「木を見て森を見ず」

というわけだ。

さて人を見かけで判断するはなし。衣服のキャラクターについてだ。

役者がその役の職業の服に扮装する。医者の役なら白衣を着る。

パイロットの役なら制服を着る。最もわかりやすい見た目である。

外見から入って役になりきっていく。三億円事件の犯人の場合、白バイと制服、そして警官として

何ひとつ違わない立ち居振る舞いに誰も疑うことをしなかった。

専門店でも百貨店でも夥しい数の服が売られている。何かのイメージを持って、何かになりたくて、


あるいは自分らしさを求めて服を購入する。ビジネスマンのスーツの場合、有能な自分を表現して

いる、筈である。肥満などの自己管理能力が問われる時代、スーツ選びも自己を管理することにな

りますまいか。

逸脱することも埋もれることもなく、自己を表現するスーツを着たいものである。


スーツを販売する多くの人たちも日々研鑽を積んで技量を高めていかなければ、着手である顧客


に迷惑をかけることになる。道行く人のスーツを見るにつけ誰が売ったのか悲しくなるスーツがい

かに多いことか。長すぎる袖丈、後ろ襟下の突き皺は売り手の恥ですぞ。

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